空き家の解体費用は誰が払う?持ち主・相続人と補助金の申請者【山口県】
こんなお悩み、ありませんか。
- 親が亡くなって、実家の空き家を壊すことになりそう。でも、その費用を誰が払うのか分からない
- 家の名義が親のまま。自分に払う義務があるのか、補助金を申し込めるのか分からない
- 売るにしても国に引き取ってもらうにしても、先に自分のお金で壊さないといけないのか知りたい
一つでも当てはまるなら、この記事はあなたのために書きました。
読み終わるころには、次の3つが分かります。
- 空き家の解体費用を払うのは誰か、その根拠
- 解体の補助金を申し込める人と、補助では足りない分
- 売る・国に引き取ってもらうときの、壊す費用の考え方
難しい言葉は使いません。
ゆっくり読んでみてください。

はじめまして。株式会社Glennの、しらかわだいき です。
山口県で、空き家や古くなったアパートを買い取って、壊さずに直して、次に住む人へ貸しています。
僕の祖母の家は、山口県東部の山の方にあり、今も空き家のまま2年ほどになります。
いろんな思いがあり、家の中の物の処分もあって、なかなか前に進みません。
だから、「この家をどうするか」を決めきれない方の気持ちは、本当に分かります。
そして、壊す道を考えたときに最初にぶつかるのが、「その費用は誰が払うのか」という問いだと僕は考えています。
この記事では、法律と、国・県・市町の公式ページに書いてあることだけを使って、この問いに順番に答えます。
この記事でわかること
- 空き家の解体費用を払うのは、その家の今の持ち主(所有者)であること
- 親が亡くなったら、持ち主は相続した人に変わること
- 解体の補助金を申し込める人(所有者・相続人・同意を得た人)と、補助で足りない分
- 売る・国に引き取ってもらうときの、壊す費用の考え方
- 払わずに放っておくと、市や町から何が届くか
結論:空き家の解体費用を払うのは、その家の今の持ち主です

先に答えを書きます。
空き家を壊す費用を払うのは、その家の持ち主(法律の言葉では「所有者」)です。
岩国市は、空き家の管理についてのページで、こう書いています。
空家等はあくまでも所有者の財産です。
そのうえで、周りの暮らしに悪い影響を出さないよう、持ち主が管理に努めるよう求めています。
国の法律である「空家等対策の推進に関する特別措置法」(この記事では「空家法」と呼びます)も、市や町が「壊してください」「直してください」と求める相手を「所有者等」と定めています。
出典:空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov法令検索
市や町の補助金はありますが、出してもらえるのは費用の一部です。
残りを払うのは、やはり持ち主です。
親が亡くなったら、持ち主は「相続した人」に変わります
親の名前のままになっている家でも、親が亡くなれば、その家は相続した人が受け継ぎます。
令和6年4月1日からは、相続で家や土地を受け継いだと知った日から3年以内に、名義を変える登記(相続登記)を申請することが義務になりました。
正当な理由なく申請しないと、10万円以下の過料(国から求められるお金)の対象になります。
それより前に相続して名義を変えていない家も対象で、令和9年3月31日までに登記を済ませる必要があります。
名義変更の進め方は、相続登記の記事にまとめています。
相続した人が兄弟など何人もいるときの進め方は、兄弟で相続した空き家の記事をご覧ください。
解体の補助金を申し込めるのは誰か(所有者・相続人・同意を得た人)

山口県では、19の市町のうち17の市町に、空き家の解体を手伝う補助金があります(和木町と上関町にはありません)。
ただ、誰でも申し込めるわけではありません。
申し込める人や、対象になる家の決まりを、公式ページで確かめられた市町だけ並べます。
| 市町 | 誰が申し込めるか・誰の家が対象か | ほかの主な条件 |
|---|---|---|
| 阿武町 | 空き家の所有者、相続人、またはこれらの人から解体の同意を得た人 | 法人・団体は申し込めない/世帯全員が町税を滞納していない |
| 萩市 | 所有者、相続人、または所有者の同意書がある人 | 世帯の合計所得が500万円未満/世帯全員が市税を滞納していない |
| 下関市 | 所有者等。自治会長が申し込む形もある | 所有者等は2分の1・上限40万円、自治会長が申し込む場合は3分の2・上限80万円 |
| 長門市 | 1年以上人が住んでいない、市内の住むための建物 | 世帯所得が500万円未満/市税を滞納していない/市内の業者が工事する |
| 岩国市 | 個人が持っている家(法人が持っている家は対象外) | 岩国市内の解体業者に頼む/更地にする/交付の決定前に工事を始めない |
出典:老朽危険空き家除却促進事業補助金|阿武町/老朽危険空き家除却促進事業補助金について|萩市/危険家屋(危険空き家)の解体費用の一部を補助します|下関市/長門市危険空き家等除却事業補助金について|長門市/岩国市老朽危険空き家除却促進事業 補助制度の概要|岩国市
見ていただきたいのは、阿武町と萩市です。
この町と市では、持ち主本人だけでなく、相続人や、持ち主から同意をもらった人も申し込めると書かれています。
名義は親のままで、実際に動くのは子ども、という家でも、申し込みの道が用意されているということです。
一方で、阿武町では法人・団体は申し込めず、岩国市・光市・柳井市などでは個人が持っている家が対象です。
表にない市や町の決まりは、家のある市や町の窓口でお尋ねください。
市町ごとの金額や受付の期間は、山口県の解体補助金の記事にまとめています。
補助金があっても、残りは申し込んだ人が払います
補助金は、解体の費用の全部ではなく、決まった割合の分だけ出ます。
山口市など
美祢市など
(条件あり)
出典:岩国市/光市/山口市/柳井市/長門市/美祢市/萩市/阿武町(いずれも令和8年度の公式ページ)
割合が3分の1なら、残りの3分の2は申し込んだ人が払います。
割合が2分の1なら、残りの2分の1が自分の負担です。
さらに、ここに挙げた補助には、どれも上限の金額があります。
ですから、工事が大きくなるほど、自分で払う分は増えていきます。
申し込む前に、工事を始めないでください
もう一つ、順番に気をつけてください。
岩国市は「補助金交付決定前まで着手をしない事」を条件にしています。
阿武町も、申し込む前に解体工事を始めていない家を対象にしています。
また岩国市は、受付の期間の中でも、予定の数に達したら受付を終えると書いています。
出典:岩国市老朽危険空き家除却促進事業 補助制度の概要|岩国市/老朽危険空き家除却促進事業補助金|阿武町
解体業者と契約する前に、家のある市や町の窓口へ相談してください。
払うお金そのものが用意できないときの考え方は、解体費用が払えないときの記事に書きました。
解体の見積が何でできているかは、解体費用の記事で説明しています。
売るとき・国に引き取ってもらうとき、壊す費用はどうなるか

国に土地を引き取ってもらう制度は、家が建ったままだと使えません
相続した土地を国に引き取ってもらう「相続土地国庫帰属制度」が、令和5年4月27日に始まりました。
ただ、法務省は、建物がある土地は申請そのものができないとしています。
建物は、一般に管理コストが土地以上に高額であること、また、老朽化すると、管理に要する費用や労力が更に増加するだけでなく、最終的には建替えや取壊しが必要になるため、承認申請を行うことができません。
出典:相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件|法務省
つまり、この制度を使うなら先に家を壊すことになり、その費用は持ち主が払います。
そのうえ、認められたあとも、10年分の管理費にあたる負担金を納めます。
山口県の空き家ガイドブックでは、宅地は原則20万円で、市街化区域などの宅地は面積に応じて増え、200平方メートルで約80万円とされています。
出典:空き家ガイドブック~相続から管理・利活用まで~|山口県
売るときは、買った人が壊す形でも税の特例が使えるようになりました
亡くなった親が一人で住んでいた古い家を相続して売ると、売って得たもうけから最高3,000万円を差し引ける特例があります。
対象は、昭和56年5月31日以前に建った家などで、令和9年12月31日までに売ったものです。
以前は、売る人が先に耐震の工事をするか、家を壊してから売る必要がありました。
令和6年1月1日以後に売った分からは、買った人が、売った年の翌年2月15日までに家を壊すか耐震の工事をすれば、特例の対象になります。
出典:No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
売る人が先に壊す費用を出さなくても、この特例を使える道ができた、ということです。
細かい条件は、国税庁のページか税務署でご確認ください。
払わずに放っておくと、市や町から何が届くか
壊す費用を払わずに、そのままにしておくとどうなるかも書いておきます。
空家法では、倒れるおそれが大きいなど危ない状態の空き家を「特定空家等」と呼び、市や町は次の順番で持ち主に働きかけます。
- 助言・指導市や町から、壊す・直す・木を切るなどをするよう、お願いが来ます
- 勧告それでも良くならないと、期限を付けて勧告されます。ここで土地の固定資産税の特例が外れます
- 命令勧告に正当な理由なく従わないと、期限を付けて命じられます
- 行政代執行命令に従わないと、市や町が代わりにその措置を行うことができます
出典:空家等対策の推進に関する特別措置法(第22条)/地方税法第349条の3の2|e-Gov法令検索
分かれ目は、2つ目の「勧告」です。
人が住むための家が建つ土地は、固定資産税の計算のもとになる額が小さくなる特例を受けていますが、勧告を受けるとその特例が外れます。
ただし税金がそのまま何倍にもなるわけではなく、上がり幅は最大でも約4.2倍(計算で出した目安)です。
出典:固定資産税 住宅用地・商業地等の課税標準額と負担調整措置|総務省
くわしくは、特定空家・管理不全空家の記事をご覧ください。
また、家が崩れて隣の家や道を通る人に被害を出せば、持ち主が責任を問われることもあります(民法第717条)。
反対に、壊して更地にすれば税金が下がる、とも限りません。
岩国市の補助金の案内にも「空き家の解体によって、土地の固定資産税が増える場合があります」と書かれています。
出典:岩国市老朽危険空き家除却促進事業 補助制度の概要|岩国市
壊した後の土地の税金は、更地の固定資産税の記事にまとめています。
壊す・売る・貸す・引き取ってもらうのどれが合うか迷ったら、空き家をどうするか迷ったときの全体ページで見比べてみてください。
解体費用を払う前に:僕たちが引き取れる家・引き取れない家
ここまで、壊すならその費用は持ち主が払う、というお話をしてきました。
ただ、壊さずに家ごと引き取ってもらえれば持ち主が変わるので、あなたが壊す費用を払う場面そのものがなくなります。
僕たち自身が買い取って、自分たちで直して、貸します。
転売はしません。だから、引き取れる家には条件があります。
| 家の状態 | 理由 | |
|---|---|---|
| ○ | 山口県内の戸建て・小さなアパート | 自分たちで見に行けて、直して、管理できる範囲だからです |
| ○ | 家の中に荷物が残ったままの家 | 片付けは僕たちがやります。仏壇や思い出の品は、先にご相談します |
| ○ | 古い家・傷んでいる家 | 直す前提で見ます。柱と屋根が残っていれば、可能性があります |
| ○ | 遠方にお住まいで、家を見に来られない方 | 写真とお電話で進められます。ご来県は必要ありません |
| ○ | 不動産会社に「売れません」と言われた家 | 貸す前提なら、値段の付け方が変わります |
| × | 柱が折れている・大きく傾いている家 | 直す費用が家賃で回収できません。壊すしかない家は、正直にそうお伝えします |
| × | 車が入れない・道に接していない家で、大きな工事が要るもの | 工事の車が入れないと直せません。小さな工事で済むかは見てから判断します |
| × | 土地が他の人のもので、建物だけが自分のもの、という家 | 地主さんとの話し合いが要るため、今はお受けしていません |
| × | 山口県外の家 | 見に行けない家は、責任を持てません |
「買い取り」という言葉を使いましたが、高く買うことはできません。
僕たちが出せるのは、解体費も片付け費も出さずに済むという形です。
それでも「持ち続けるよりいい」と思っていただけたときだけ、進めます。
ご自分の家が引き取れる家かどうか、分からなくて当たり前です。
LINEで、家の写真を1枚送っていただくだけで大丈夫です。
見に行けそうかどうか、僕が正直にお返事します。無理に決めていただくことはしません。
写真を1枚送るだけの相談
僕のところにも、何件もご相談にいらっしゃいましたが、お断りした家もあります。
家の半分が植物に飲み込まれそうになっていて、かなり山の方にあり、借りて住む人が見込めない家でした。
泣く泣く、お断りしました。
それでも、基本は積極的に取り組みたいと思っているので、相談するだけ、気軽にしてみてください。
引き取ると決まったときは、売買契約を結び、不動産会社に間に入ってもらい、名義変更は司法書士にお願いして、あとでトラブルにならないようにしています。
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親の家が空き家になった方のために、6つの資料をまとめました。LINEに登録すると、すぐに届きます。ご家族に転送しても大丈夫です。






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ご相談について
その空き家、壊す前に一度だけ、写真を見せてもらえませんか。
僕はもともと、山口県で中学校の体育の先生をしていました。誠実に対応することは、そのころから心がけています。
LINEで、家の写真を送っていただくだけで大丈夫です。お名前・ご住所・お電話番号は、最初は要りません。
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1〜3枚と、市や町の名前を送る
(スマホでパパッとでOK)
正直にお返事します
- 僕たち自身が引き取り、自分たちで直して使います。転売が目的ではありません。
- 家の中の荷物は、そのままで大丈夫です。片付けは僕たちがやります。
- 引き取れないときは、その理由も正直にお伝えします。
- 無理に決めていただくことはしません。「写真を見せるだけ」でも大丈夫です。
相談は無料です。送っていただいた写真やご相談の内容を、ご本人の許可なく公開することはありません。
山口県内であれば対応します。岩国市・柳井市・周南市のあたりは、すぐに見に行けます。
空き家をどうするか迷ったときの全体ページ(壊す・貸す・手放すの選び方) / 空き家の相談室(記事一覧)
この記事の参考資料
- 空家等の適切な管理|岩国市
- 空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov法令検索
- 相続登記の申請義務化について|法務省
- 市町の空き家対策関連情報について|山口県
- 老朽危険空き家除却促進事業補助金|阿武町
- 老朽危険空き家除却促進事業補助金について|萩市
- 危険家屋(危険空き家)の解体費用の一部を補助します|下関市
- 長門市危険空き家等除却事業補助金について|長門市
- 岩国市老朽危険空き家除却促進事業 補助制度の概要|岩国市
- 光市危険空き家除却促進事業補助金について|光市
- 令和8年度山口市老朽危険空家等除却促進事業補助金のご案内|山口市
- 「空き家の解体を支援します」(空き家除却補助制度)|柳井市
- 美祢市危険家屋除却推進事業補助金|美祢市
- 相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件|法務省
- 空き家ガイドブック~相続から管理・利活用まで~|山口県
- No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
- 固定資産税 住宅用地・商業地等の課税標準額と負担調整措置|総務省
しらかわ だいき株式会社Glenn 代表/山口県で空き家と古いアパートを買い取り、壊さずに直して貸しています2026年9月の時点で15戸を持ち、14戸に入居していただいています。古い戸建てを3軒、自分たちで直して貸してきました。
妻と息子と、山口県で暮らしています。家賃で家族を養っているので、引き取れる家と引き取れない家を、正直にお伝えします。
