空き家が売れない本当の理由と、壊す以外の出口【山口県】
こんなお悩み、ありませんか。
- 不動産屋さんに持っていったら「これは難しいですね」と言われて、それきりになっている
- 売りに出して1年たつのに、問い合わせが1件も来ない
- 「うちの家は、もう価値がないのかな」と、あきらめかけている
一つでも当てはまるなら、この記事はあなたのために書きました。
読み終わるころには、次の3つが分かります。
- 売れないのは家のせいではなく、買う人の側に理由がないだけ、ということ
- 売れない理由は4つに分かれて、どれもあなたの努力で変えられるものではないこと
- 壊す以外に、4つの出口があること
難しい言葉は使いません。ゆっくり読んでみてください。

はじめまして。株式会社Glennの、しらかわだいき です。
山口県で空き家のご相談を受けていると、「不動産屋さんに難しいと言われた」という言葉をいちばんよく聞きます。でも、僕はそこで「価値がない」とは思いません。売れないことと、家に値打ちがないことは、別の話だからです。
山口県で、空き家や古くなったアパートを買い取って、壊さずに直して、次に住む人へ貸しています。2026年9月の時点で15戸を持ち、14戸に入居していただいています。古い戸建てを3軒、自分たちで直して貸してきました。
この記事では、空き家が売れない理由を4つに分けて、国の調査と法律の条文で確認します。そのうえで、壊す以外にどんな出口があるかを並べます。
この記事でわかること
- 売れない理由は、家の古さだけではなく4つに分かれること
- 山口県の空き家がどれくらいあるか(県の公表資料)
- 建て替えができない土地かどうかを、条文のどこで見るか
- 壊す以外の出口が4つあること。それぞれ、どんな方に向くか
結論:売れないのは家のせいではなく、買う人の側に理由がないからです

家が売れるのは、買う人が「この値段なら、自分にとって得だ」と思えたときだけです。
その判断が止まる場所は、だいたい4つに分かれます。
| 理由 | 買う人の側で、何が起きているか |
|---|---|
| ① 場所 | その地域で家を探している人が、そもそも少ない。家の出来ではなく、土地の需要の話 |
| ② 再建築 | 道路への接し方によっては、建て替えができない。買っても自分の家を建てられない |
| ③ 荷物と傷み | 家の中に前の暮らしが残っている。片付けと修繕の手間が、買う人の負担になる |
| ④ 価格と手間 | 価格が安いほど、仲介する側の手数料も小さくなる。動きにくい案件になる |
お気づきかもしれませんが、4つとも「家が悪い」という話ではありません。買う人にとって、理由が足りないという話です。
そして、この4つは、借りる人の判断とは別ものです。買い手が付かない家に、借り手が付くことがあります。僕の場合は、それで3軒直してきました。
山口県では、5軒に1軒近くが空き家です

まず、ご自分だけの話ではないことを、数字で見ておきます。
(全国8位)
出典:山口県の空き家率|山口県(令和5年住宅・土地統計調査)/令和5年住宅・土地統計調査 基本集計結果|総務省統計局
全国では、空き家は900万2千戸。そのうち、貸家用でも売却用でも別荘でもない、いわゆる「使い道が決まっていない空き家」が385万6千戸あります。
そして、国土交通省の調査に、こういう数字があります。
市場に出ていた空き家全国
→
1年後も空き家
68.6%
出典:令和6年空き家所有者実態調査 結果のポイント|国土交通省
売りに出していても、約7割は1年たっても空き家のままだ、ということです。
売れないのは、あなたの家だけではありません。ここは、はっきり申し上げておきます。
売れない理由① 場所(家ではなく、土地の話)

山口県の空き家の増え方を、県の公表資料で並べてみます。
| 調査年 | 住宅の総数 | 空き家 | 空き家率 |
|---|---|---|---|
| 平成10年 | 633,100戸 | 70,500戸 | 11.1% |
| 平成30年 | 719,900戸 | 126,800戸 | 17.6% |
| 令和5年 | 726,400戸 | 140,700戸 | 19.4% |
出典:山口県の空き家率|山口県
25年で、住宅の総数は約1.15倍にしかなっていません。ところが空き家は、70,500戸から140,700戸へ、およそ2倍になっています。
家は建ち続けているのに、住む人がそれに追いついていない。これが、地方で家が売れない土台です。
ですから、同じ築年数・同じ広さの家でも、駅や学校やスーパーから遠いというだけで、買う人の数が一気に減ります。
これは、持ち主の努力で動かせるものではありません。掃除をしても、値段を下げても、その地域で家を探している人の数は増えないからです。
ただし、買う人と借りる人では、見ている場所が違います。買う人は「30年後にいくらで売れるか」を気にします。借りる人は「今、家賃に見合うか」だけを見ます。ここに、まだ道が残っています。
売れない理由② 建て替えができない土地かもしれません

「再建築不可」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
これは、今の家を壊してしまうと、そこに新しい家を建てられない土地のことです。買う人からすると、自分の好きな家を建てられない土地になります。
根拠は、建築基準法の第43条です。
建築物の敷地は、道路に二メートル以上接しなければならない。
ここでいう「道路」は、日常語の道とは違います。同じ法律の第42条で、原則として幅が4メートル以上のものと決められています。
つまり、次の2つの両方を満たしていないと、建て替えが難しい土地になります。
| 見るところ | 条文の目安 |
|---|---|
| 前の道の幅 | 原則4メートル以上(建築基準法 第42条) |
| 土地が道に接している長さ | 2メートル以上(建築基準法 第43条) |
国の調査では、空き家をそのまま持ち続けている理由として「再建築不可(道路付けの悪さなど)」を挙げた世帯が6.9%ありました。数としては多くありませんが、当てはまる場合は売却の価格に一番大きく効きます。
売れない理由③ 家の中の荷物と、家の傷み

買う人がいちばん嫌がるのは、実は建物の古さではありません。家の中身です。
国土交通省の調査では、相続された空き家について、次のことがわかっています。
- 7割を超える家が、1980年(昭和55年)以前に建てられている
- 7割を超える家に、腐りや壊れが見られる(部分的なものを含む)
- 空き家になったきっかけは、58.3%が「持ち主の死亡」
出典:令和6年空き家所有者実態調査 結果のポイント|国土交通省
亡くなったあとに空き家になった家は、暮らしがそのまま残ります。家具、布団、食器、写真、そして仏壇。
同じ調査で、空き家を持ち続けている理由として、「家財などの処理が困難」が21.6%、「仏壇など他に保管場所がないものがある」が21.6%挙がっています。
出典:令和6年空き家所有者実態調査 報告書 図表3-45|国土交通省
持ち主が困っていることは、そのまま買う人の負担になります。買う人は「この片付けを自分がやるのか」と考え、そこで手が止まります。
ここは、僕たちが引き取る場合は事情が変わります。荷物はそのままで大丈夫です。片付けは僕たちの仕事のうちだからです。残しておきたい物があれば、先にお聞きします。
売れない理由④ 価格と手間(「断られた」への答え)

最後は、売る側からは見えにくい理由です。
不動産会社が売買を仲介するとき、報酬は成約したときの手数料です。売買の金額が小さいほど、手数料も小さくなります。
一方で、やることは金額に関係なく、ほぼ同じだけ発生します。
| 安い家でも同じだけ起きること |
|---|
| 現地を見る/写真を撮る/広告を出す/問い合わせに答える/案内する/書類をそろえる/引き渡しに立ち会う |
ですから「これは難しいですね」と言われたのは、多くの場合、家に値打ちがないという意味ではありません。その会社の仕事の形に合わなかった、という意味です。
そして、持ち主の側にも手間が残ります。国の調査で、空き家を持ち続ける理由の上位に挙がっているのは、この2つでした。
出典:令和6年空き家所有者実態調査 報告書 図表3-45|国土交通省
壊すにはお金が要る。売ろうとすると手間が要る。だから動けない。この足踏みは、とても自然なことだと思います。
なお、持ち続けているあいだも、土地と建物には毎年の税金がかかります。税金のしくみは空き家の税金はいくら?固定資産税が上がる本当の条件に、解体費用の相場は空き家の解体費用の相場と、壊す前に確かめることにまとめました。
壊す以外の出口は、4つあります

では、売れないとわかったあと、どうするか。壊す以外に、4つの道があります。
| 出口 | 向いている方 | 向かない方 |
|---|---|---|
| 1. 貸す | 建物が残っていて、直せば人が住める状態。家賃を受け取りたい方 | 修繕費を出せない方。遠方で管理に手が回らない方 |
| 2. 空き家バンクに登録する | その市や町に住みたい人へ直接届けたい方。時間をかけられる方 | すぐに手放したい方。市町の条件(定住要件など)に合わない方 |
| 3. 隣の土地の方に相談する | 敷地が狭い、間口が細い、車が置けないなどの土地。隣の方と面識がある方 | 周りに家がない土地。隣の方と話しにくい事情がある方 |
| 4. 引き取ってもらう | 解体費と片付け費を出さずに手を離したい方。荷物が残っている方 | まとまった現金を受け取りたい方 |
2の空き家バンクは、山口県が市町のバンクをまとめて案内しています。相談の窓口も、県と19の市町それぞれにあります。
出典:山口県空き家ポータルサイト|山口県/空き家相談窓口のご案内|山口県
4つのどれが向くかは、家の状態と、ご家族の事情で変わります。選び方の全体像は空き家を処分したい方へ(壊す・売る・貸す・引き取りの選び方)に、1ページにまとめています。
僕が「売れない家」を直して貸している理由

ここからは、少しだけ僕の話をさせてください。
僕が買っているのは、買い手が付かなかった家です。前の持ち主にとっては、困りごとだった家です。
その家を引き取って直すと、まず、持ち主の困りごとがなくなります。
次に、その家に新しい人が住みます。親御さんが建てた家、おじいちゃんおばあちゃんが暮らした家が、壊されずに、次の家族の暮らしの場所になります。思い出が、次の人に受け継がれていく。僕はこれを「思い出のバトン」と呼んでいます。
そして、その家から毎月の家賃をいただくことで、僕は妻と息子にご飯を食べさせていくことができます。
この3つが一度に叶うので、僕はこの仕事を続けています。
僕のところにも、何件もご相談にいらっしゃいましたが、お断りした家もあります。家の半分が植物に飲み込まれそうになっていて、かなり山の中にあり、借りて住む人が見込めない家でした。泣く泣く、お断りしました。
それでも、基本は積極的に取り組みたいと思っています。相談するだけ、気軽にしてみてください。
僕たちの今(2026年9月時点)
買い手が付かなかった家でも、借り手が付くことがある。これは統計ではなく、僕の場合の実感です。すべての家がそうなるとは申し上げません。見せていただいた上で「僕たちでは引き取れません」とお伝えすることもあります。そのときは、理由も正直にお話しします。
写真を1枚送るだけの相談

ご相談について
その空き家、壊す前に一度だけ、写真を見せてもらえませんか。
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正直にお返事します
- 壊す前に一度だけ、見せてください。建物がなくなると「直して貸す」という道もなくなります。
- 残置物(家の中の荷物)は、そのままで大丈夫です。片付けは僕たちがやります。
- 引き取れないときは、その理由も正直にお伝えします。無理に決めていただくことはしません。
相談は無料です。送っていただいた写真やご相談の内容を、ご本人の許可なく公開することはありません。
山口県内であれば対応します。岩国市・柳井市・周南市のあたりは、すぐに見に行けます。
空き家を処分したい方へ(選び方の全体像)
この記事の参考資料
- 山口県の空き家率|山口県
- 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果|総務省統計局
- 令和6年空き家所有者実態調査|国土交通省
- 同 結果のポイント(PDF)|国土交通省
- 同 報告書(PDF・図表3-45)|国土交通省
- 建築基準法(第42条・第43条)|e-Gov法令検索
- 山口県空き家ポータルサイト|山口県
- 空き家相談窓口のご案内|山口県
しらかわ だいき株式会社Glenn 代表
山口県で空き家と古いアパートを直して貸しています
妻と、息子と。山口県で暮らしています。2026年9月時点で15戸を所有し、14戸に入居していただいています。古い戸建てを3軒、自分たちで直して貸してきました。
買い手が付かないと言われた家でも、借り手が付くことがあります。壊す前に一度だけ、写真を見せてください。
