特定空き家と管理不全空家の違い|指定されるとどうなるか【山口県】
こんなお悩み、ありませんか。
- 市役所や町役場から空き家のことで封筒が届いて、開けるのが怖い
- 「特定空家」と「管理不全空家」、言葉は聞くけれど、何がどう違うのか分からない
- 指定されたら税金が跳ね上がる、家を壊されると聞いて、夜に思い出しては不安になる
一つでも当てはまるなら、この記事はあなたのために書きました。
読み終わるころには、次の3つが分かります。
- 特定空家と管理不全空家は、どこがどう違うのか
- 指定されたあと、役所がどんな順番で動くのか
- 固定資産税が上がる引き金は、どこにあるのか
難しい言葉は使いません。
ゆっくり読んでみてください。

はじめまして。株式会社Glennの、しらかわだいき です。
山口県で、空き家や古くなったアパートを買い取って、壊さずに直して、次に住む人へ貸しています。
僕の祖母の家は、山口県東部の山の方にあります。
今も空き家のままで、2年ほどになります。
いずれ譲り受けて貸すか、宿にしたいと思っているのですが、家の中の物のこと、いろんな思いのことがあって、進んでいません。
だから、空き家を持っている方が「役所から何か言われたらどうしよう」と考えてしまう気持ちは、本当によく分かります。
この記事では、この2つの違いと、指定されたあとに何が起きるのかを、法律の条文と国・県・市町の公表資料だけで整理します。
この記事でわかること
- 特定空家等と管理不全空家等の違い(傷みの進み具合と、根拠になる条文が違うこと)
- 特定空家の基準は、空家法第2条第2項の一文で決まっていること
- 役所の動きは「助言・指導 → 勧告 → 命令 → 代執行」の順番が条文で決まっていること
- 固定資産税の引き金は「指定」ではなく「勧告」であること
- 指定されると、市や町の解体の補助金が使えなくなることがあること
結論:特定空家との違いは「傷みの進み具合」。管理不全空家は、その一歩手前です

先に答えを書きます。
管理不全空家等は「このままだと特定空家になってしまいそうな家」、特定空家等は「もう周りに迷惑をかけるおそれがある家」です。
根拠になる条文も、役所ができることも、この2つでは違います。
| 管理不全空家等 | 特定空家等 | |
|---|---|---|
| 法律の根拠 | 空家法 第13条第1項 | 空家法 第2条第2項 |
| どんな家か | 適切な管理が行われていないことにより、そのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態 | そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態など、放置することが不適切な状態 |
| 市町村長ができること | 指導 → 勧告(第13条第1項・第2項) | 助言または指導 → 勧告 → 命令 → 代執行(第22条第1項〜第3項・第9項) |
| 住宅用地特例が外れるのは | 第13条第2項の勧告を受けたとき | 第22条第2項の勧告を受けたとき |
出典:空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov法令検索/地方税法(抄)第349条の3の2|国土交通省
大事なのは、いちばん下の行です。
税金に効いてくるのは、指定そのものではなく、その先の勧告だという点は、後の章で詳しく書きます。
特定空家の基準は、法律のこの一文で決まっています
では、どんな家が特定空家とされるのか。
基準は、空家法第2条第2項に書かれています。
この法律において「特定空家等」とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態又は著しく衛生上有害となるおそれのある状態、適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態にあると認められる空家等をいう。
出典:空家等対策の推進に関する特別措置法 第2条第2項|e-Gov法令検索
長い一文ですが、中身は4つに分かれます。
- そのまま放置すれば倒壊などのおそれがある(保安上危険)
- 著しく衛生上有害となるおそれがある(ごみ・悪臭・害虫など)
- 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている
- その他、周辺の生活環境を守るうえで放置が不適切である
この4つのどれかにあたると認めて動くのは、家のある市や町です。
ご自分の家がこれにあたるかどうかは、お住まいの市町の空き家の窓口でお尋ねください。
管理不全空家とは。まだ壊れていないけれど、放っておけない家のこと

管理不全空家等は、空家法第13条第1項にこう書かれています。
市町村長は、空家等が適切な管理が行われていないことによりそのまま放置すれば特定空家等に該当することとなるおそれのある状態にあると認めるときは、当該状態にあると認められる空家等(以下「管理不全空家等」という。)の所有者等に対し、…必要な措置をとるよう指導をすることができる。
出典:空家等対策の推進に関する特別措置法 第13条|e-Gov法令検索
柱が折れているわけでも、屋根が落ちているわけでもない。
草が伸び放題で、雨どいが外れていて、窓が割れたまま。
そういう「まだ間に合うけれど、放っておけば危なくなる家」が、ここに入ります。
そして第13条第2項では、指導をしても状態が改善されず、放置すれば特定空家等に該当するおそれが大きいと認めるときに、市町村長が勧告できると定めています。
管理不全空家等でも勧告まで進めば、税の扱いは特定空家等と同じになります。
指定されるとどうなるか。役所は、この順番でしか動けません
いちばん怖いのは、「ある日いきなり家を壊されるのではないか」という不安だと思います。
特定空家等について市町村長ができることは、空家法第22条で順番が決められています。
- 助言または指導まず、除却・修繕・立木竹の伐採など、必要な措置をとるよう声がかかります(第22条第1項)
- 勧告助言・指導をしても状態が改善されないとき、相当の猶予期限を付けて勧告されます(第22条第2項)。ここで住宅用地特例が外れます
- 命令正当な理由なく勧告に従わなかった場合に、相当の猶予期限を付けて命じられます(第22条第3項)
- 代執行命令にも従わないとき、行政代執行法の定めに従って市町村が代わりに措置を行います(第22条第9項)
出典:空家等対策の推進に関する特別措置法 第22条|e-Gov法令検索
管理不全空家等の場合は、指導と勧告の2つだけです(第13条第1項・第2項)。
条文の順番では、最初に来るのは助言や指導です。
助言や指導の段階で草を刈る、窓を直すといった手を打てば、その先には進みません。
だからこそ、届いた封筒を開けて、期限までに市町の窓口へ返事をすることが、いちばん確実な守り方になります。
特定空家・管理不全空家の固定資産税。引き金は「指定」ではなく「勧告」です

ここからが、いちばん誤解の多いところです。
人が住むための家が建っている土地には、固定資産税を軽くする「住宅用地特例」があります。
広さ200平方メートル以下の部分は、固定資産税の課税標準が評価額の6分の1になります。
それを超える広さの部分は、評価額の3分の1です。
この決まりは、地方税法第349条の3の2に書かれています。
そして同じ条文の第1項の括弧書きで、空家法第13条第2項の勧告を受けた管理不全空家等と、第22条第2項の勧告を受けた特定空家等の敷地は、「住宅用地」の定義そのものから除かれています。
山口市も、市の公式ページで同じことを案内しています。
勧告を受けた管理不全空家等は、固定資産税の住宅用特例(1/6等に減額)が解除される
助言や指導の段階では、特例は外れません。
外れるのは、勧告を受けたときです。
よく「特定空家に指定されると固定資産税が6倍になる」と言われますが、これは正確ではありません。
変わるのは税額そのものではなく、税額を計算するもとになる課税標準です。
特例が外れた土地は住宅用地以外の宅地として扱われ、その課税標準額には評価額の70%という上限があります(総務省資料)。
課税標準(小規模住宅用地)
課税標準額の上限
(計算で出した目安)
出典:固定資産税 住宅用地・商業地等の課税標準額と負担調整措置|総務省
0.70を6分の1で割ると、約4.2という数字になります。
つまり上がり幅は、最大でも約4.2倍にとどまるという計算です。
この約4.2倍は、公式の数字をもとに僕が計算で出した目安で、実際の額は評価額や前年度の課税標準額、都市計画税の有無で変わります。
計算の中身は、固定資産税の記事にもっと詳しく書きました。
ご自分の土地の実額は、納税通知書に同封されている課税明細書を持って、家のある市や町の資産税の窓口でお尋ねください。
指定されると、解体の補助金が使えなくなることがあります
ここは、あまり知られていない話です。
特定空家等になると補助の対象になる市町もあれば、逆に対象から外れる市町もあります。
| 市町 | 制度 | 特定空家等の扱い |
|---|---|---|
| 柳井市 | 空き家除却事業補助金(補助対象経費の2分の1・上限150万円/令和8年度の募集は令和8年4月3日〜令和9年2月1日) | 対象の条件に「特定空家等は対象外」と書かれています |
| 周防大島町 | 危険空家等除去事業(補助対象経費の3分の1・上限50万円) | 対象が「特定空家等またはこれに準ずる空家等」と書かれています |
出典:「空き家の解体を支援します」(空き家除却補助制度)|柳井市/周防大島町危険空家等除去事業について|周防大島町
同じ山口県でも、市町によって扱いが逆になっているということです。
柳井市の窓口は建築住宅課(0820-22-2111 内線241〜243)、周防大島町の窓口は空家定住対策課(0820-74-1033)です。
出典:柳井市内の空き家の相談窓口|柳井市/周防大島町空家等対策計画(担当課の連絡先)|周防大島町
制度の金額も期間も年度ごとに変わりますので、工事の契約や着工の前に、家のある市や町の窓口へお尋ねください。
山口県は、県内19市町の相談窓口と助成制度をまとめたページを公開しています。
参照:市町の空き家対策関連情報について|山口県/空き家相談窓口のご案内|山口県
市町ごとの窓口は、空き家をどうするか迷ったときの全体ページにも一覧でまとめています。
解体そのものの費用の中身は、解体費用の記事に書きました。
「特定空家」と言われる前に。僕たちが引き取れる家・引き取れない家

ここまで読んでいただいて分かるとおり、勧告まで進む家は、傷みが進んだ家です。
逆に言えば、まだ人が住める状態のうちに次の人へ渡してしまえば、この話は自分ごとではなくなります。
僕たち自身が買い取って、自分たちで直して、貸します。
転売はしません。だから、引き取れる家には条件があります。
| 家の状態 | 理由 | |
|---|---|---|
| ○ | 山口県内の戸建て・小さなアパート | 自分たちで見に行けて、直して、管理できる範囲だからです |
| ○ | 家の中に荷物が残ったままの家 | 片付けは僕たちがやります。仏壇や思い出の品は、先にご相談します |
| ○ | 古い家・傷んでいる家 | 直す前提で見ます。柱と屋根が残っていれば、可能性があります |
| ○ | 遠方にお住まいで、家を見に来られない方 | 写真とお電話で進められます。ご来県は必要ありません |
| ○ | 不動産会社に「売れません」と言われた家 | 貸す前提なら、値段の付け方が変わります |
| × | 柱が折れている・大きく傾いている家 | 直す費用が家賃で回収できません。壊すしかない家は、正直にそうお伝えします |
| × | 車が入れない・道に接していない家で、大きな工事が要るもの | 工事の車が入れないと直せません。小さな工事で済むかは見てから判断します |
| × | 土地が他の人のもので、建物だけが自分のもの、という家 | 地主さんとの話し合いが要るため、今はお受けしていません |
| × | 山口県外の家 | 見に行けない家は、責任を持てません |
「買い取り」という言葉を使いましたが、高く買うことはできません。
僕たちが出せるのは、解体費も片付け費も出さずに済むという形です。
それでも「持ち続けるよりいい」と思っていただけたときだけ、進めます。
ご自分の家が引き取れる家かどうか、分からなくて当たり前です。
LINEで、家の写真を1枚送っていただくだけで大丈夫です。
見に行けそうかどうか、僕が正直にお返事します。無理に決めていただくことはしません。
写真を1枚送るだけの相談
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親の家が空き家になった方のために、6つの資料をまとめました。LINEに登録すると、すぐに届きます。ご家族に転送しても大丈夫です。






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登録してすぐ届きます。お名前・ご住所は要りません。いつでもブロックできます。
ご相談について
その空き家、壊す前に一度だけ、写真を見せてもらえませんか。
僕はもともと、山口県で中学校の体育の先生をしていました。誠実に対応することは、そのころから心がけています。
LINEで、家の写真を送っていただくだけで大丈夫です。お名前・ご住所・お電話番号は、最初は要りません。
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1〜3枚と、市や町の名前を送る
(スマホでパパッとでOK)
正直にお返事します
- 僕たち自身が引き取り、自分たちで直して使います。転売が目的ではありません。
- 家の中の荷物は、そのままで大丈夫です。片付けは僕たちがやります。
- 引き取れないときは、その理由も正直にお伝えします。
- 無理に決めていただくことはしません。「写真を見せるだけ」でも大丈夫です。
相談は無料です。送っていただいた写真やご相談の内容を、ご本人の許可なく公開することはありません。
山口県内であれば対応します。岩国市・柳井市・周南市のあたりは、すぐに見に行けます。
空き家をどうするか迷ったときの全体ページ(壊す・貸す・手放すの選び方) / 空き家の相談室(記事一覧)
この記事の参考資料
- 空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov法令検索(第2条第2項、第13条、第22条)
- 地方税法(抄)第349条の3の2|国土交通省
- 固定資産税 住宅用地・商業地等の課税標準額と負担調整措置|総務省
- 空き家等の適切な管理について|山口市
- 「空き家の解体を支援します」(空き家除却補助制度)|柳井市
- 周防大島町危険空家等除去事業について|周防大島町
- 柳井市内の空き家の相談窓口|柳井市
- 周防大島町空家等対策計画|周防大島町
- 市町の空き家対策関連情報について|山口県
- 空き家相談窓口のご案内|山口県
- 空き家ガイドブック〜相続から管理・利活用まで〜|山口県
しらかわ だいき株式会社Glenn 代表/山口県で空き家と古いアパートを買い取り、壊さずに直して貸しています2026年9月の時点で15戸を持ち、14戸に入居していただいています。古い戸建てを3軒、自分たちで直して貸してきました。
妻と息子と、山口県で暮らしています。家賃で家族を養っているので、引き取れる家と引き取れない家を、正直にお伝えします。
