空き家を放置するとどうなる?罰則と順番、固定資産税が上がる時【山口県】
こんなお悩み、ありませんか。
- 親から受け継いだ家が、何年も空き家のままになっている
- 「空き家を3年放置すると罰金100万円」という言葉を見て、不安になった
- 市や町から封筒が届いたらと思うと、かえって手が止まってしまう
一つでも当てはまるなら、この記事はあなたのために書きました。
読み終わるころには、次の3つが分かります。
- 空き家を放置したとき、役所がどんな順番で動くのか
- 期限と金額まで確かめられる罰則は、どれなのか
- 固定資産税が上がる引き金は、いつなのか
難しい言葉は使いません。
ゆっくり読んでみてください。

はじめまして。株式会社Glennの、しらかわだいき です。
山口県で、空き家や古くなったアパートを買い取って、壊さずに直して、次に住む人へ貸しています。
僕の祖母の家は、山口県東部の山の方にあります。
今も空き家のままで、2年ほどになります。
いずれ譲り受けて、貸すか、宿にしたいと考えています。
そうすれば、そこで次の思い出が作れますし、思い出の場所が廃れていくこともないからです。
それでも、進んでいません。
家の中の物の処分のこと、いろんな思いのことがあって、一歩目が出ないままです。
だから、空き家をそのままにしている方の気持ちは、本当によく分かります。
そのうえで、この記事では「放置したとき、何がどの順番で起きるのか」を、条文と国・県の公表資料だけで整理します。
この記事でわかること
- 役所の動きは「助言・指導 → 勧告 → 命令 → 代執行」の順で、いきなり最後から始まらないこと
- 期限と金額まで確かめられる罰則は、相続登記をしないときの10万円以下の過料であること
- 固定資産税が上がる引き金は、空き家になった日ではなく「勧告」であること
- 上がり幅は、最大でも約4.2倍にとどまる計算になること
- 放置している間に、期限で閉じてしまう道があること
空き家を放置するとどうなるか。役所は決まった順番で動きます
先に答えを書きます。
傷んだ空き家について市町村長ができることは、空家等対策の推進に関する特別措置法(空家法)で順番が決められています。
- 助言または指導まず、除却・修繕・立木竹の伐採など、必要な措置をとるよう声がかかります(第22条第1項)
- 勧告助言・指導をしても状態が改善されないと認めるとき、相当の猶予期限を付けて勧告されます(第22条第2項)
- 命令正当な理由がなくて勧告に従わなかった場合に、相当の猶予期限を付けて命じられます(第22条第3項)
- 代執行命令にも従わないとき、行政代執行法の定めに従って市町村が代わりに措置を行います(第22条第9項)
出典:空家等対策の推進に関する特別措置法 第22条|e-Gov法令検索
この対象になるのは、空家法第2条第2項の「特定空家等」です。
条文には、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態、著しく衛生上有害となるおそれのある状態、著しく景観を損なっている状態、その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態、と書かれています。
その一歩手前の家は「管理不全空家等」と呼ばれ、こちらは指導と勧告の2つが定められています(第13条第1項・第2項)。
2つの違いは、特定空き家と管理不全空家の記事にくわしく書きました。
大事なのは、最初に来るのが助言や指導だという点です。
草を刈る、窓を直す、雨どいを付け直すといった手を打てば、その先には進みません。
ですから、市や町から封筒が届いたら、開けて、期限までに窓口へ返事をしてください。
空き家を放置するリスクは、書類より先に家のほうに出ます

空き家は、そのままだと朽ちていくだけです。
| 放置している間に起きること | どうなるか |
|---|---|
| 草木が伸びる | 手入れは年々大変になります。遠くにお住まいなら、来るたびに一日仕事になります |
| 税金は毎年かかる | 住んでいなくても、土地と建物の固定資産税は毎年かかります |
| 雨漏り・獣 | 雨漏りがしたり、動物が住み着いたりすれば、直す費用や追い出す費用がかかります |
| 家が崩れたとき | 隣の家や道を通る人に被害を出せば、持ち主が責任を問われることもあります(民法第717条の土地工作物責任) |
いちばん下の行だけは、あとからお金で取り返すことができません。
それに、傷みが進むほど、直して貸すという道は遠くなります。
僕は、空き家の期間は1日でも短い方がいいと考えています。
自分の祖母の家を2年そのままにしている人間が言うので、説得力はないかもしれません。
それでも、毎日この仕事をしていて、いちばん強く感じることです。
空き家の罰則と、「3年放置で罰金100万円」という言葉について
ここでは、期限と金額まで公表資料で確かめられたものだけを書きます。
① 相続登記をしないときの、10万円以下の過料
令和6年4月1日から、相続登記の申請が義務になりました。
期限は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつその不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内です。
正当な理由がないのに申請しないと、10万円以下の過料の対象になります。
ただし、自動で科されるものではありません。
法務省のページには、登記官が催告し、催告書の期限内に登記がされないときに裁判所へ通知する、という運用が書かれています。
そして、令和6年4月1日より前に起きた相続も対象です。
その場合の期限は、令和9年(2027年)3月31日までです。
親の名前のままになっている家をお持ちなら、ここがいちばん近い期限になります。
②「3年」と「お金」で、決まっているのはどこか
「空き家を3年放置すると罰金100万円」という言葉を、目にされたことがあるかもしれません。
年数と金額がはっきり決まっているのは、①の相続登記の3年と、10万円以下の過料です。
いっぽう空き家そのものについては、年数ではなく、次の章で書く「勧告」が分かれ目になります。
ご自分の家にどの手続きが当てはまるのかは、家のある市や町の窓口でお尋ねください。
どこへ聞けばよいかは、山口県が相談窓口のページで案内しています。
③ 命令に従わないときの、代執行
もう一つは、さきほどの空家法の順番のいちばん最後です。
勧告に従わない場合には命令があり(第22条第3項)、命令にも従わないときは、行政代執行法の定めに従って市町村が代わりに措置を行います(第22条第9項)。
出典:空家等対策の推進に関する特別措置法 第22条|e-Gov法令検索
裏を返せば、助言・指導や勧告の段階で動けば、ここまでは来ません。
空き家を放置したときの固定資産税。上がる引き金は「勧告」です
人が住むための家が建っている土地には、固定資産税を軽くする「住宅用地特例」があります。
広さ200平方メートル以下の部分は、固定資産税の課税標準が評価額の6分の1になります。
それを超える広さの部分は、評価額の3分の1です。
これは、地方税法第349条の3の2に書かれています。
そして同じ条文の第1項の括弧書きで、空家法第13条第2項の勧告を受けた管理不全空家等と、第22条第2項の勧告を受けた特定空家等の敷地は、「住宅用地」の定義そのものから除かれています。
つまり、空き家になった日や、空き家になってからの年数で、税が上がるのではありません。
上がるのは、勧告を受けたあとです。
ここで、「空き家を放置すると固定資産税が6倍になる」という言い方を、ひとつだけ直させてください。
6倍になるというのは正確ではありません。
変わるのは税額そのものではなく、税額を計算するもとになる課税標準です。
特例が外れた土地は住宅用地以外の宅地として扱われ、その課税標準額には評価額の70%という上限があります。
課税標準(200平方メートル以下)
課税標準額の上限
(計算で出した目安)
出典:固定資産税 住宅用地・商業地等の課税標準額と負担調整措置|総務省
この約4.2倍は、公式の数字をもとに僕が計算で出した目安です。
実際の額は、評価額や前年度の課税標準額、都市計画税があるかどうかで変わります。
計算の中身は、固定資産税の記事にくわしく書きました。
ご自分の土地の実額は、納税通知書に同封されている課税明細書を持って、家のある市や町の資産税の窓口でお尋ねください。
放置している間に、静かに閉じていく道があります
放置は「何も選ばないこと」のように見えて、実は道が1つずつ閉じていきます。
3,000万円の特例には、相続から3年という数え方も入っています。
放置している間に、この年数は静かに進みます。
もう一つ、はじめから閉じている扉の話もしておきます。
相続した土地を国に引き取ってもらう相続土地国庫帰属制度が、令和5年4月27日に始まりました。
ただし、建物がある土地は、承認申請そのものができません。
出典:相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件|法務省
相続から管理、利活用までの流れは、山口県のガイドブックにまとまっています(令和7年3月一部改定)。
参照:空き家ガイドブック〜相続から管理・利活用まで〜|山口県
放置から抜け出す道として、僕たちが引き取れる家・引き取れない家

ここまでをひと言でまとめると、放置そのものにすぐ罰金が来るのではなく、時間がたつほど選べる道が減っていく、という話です。
壊す・売る・貸す・引き取ってもらうという道の比べ方は、空き家をどうするか迷ったときの全体ページにまとめています。
僕たち自身が買い取って、自分たちで直して、貸します。
転売はしません。だから、引き取れる家には条件があります。
| 家の状態 | 理由 | |
|---|---|---|
| ○ | 山口県内の戸建て・小さなアパート | 自分たちで見に行けて、直して、管理できる範囲だからです |
| ○ | 家の中に荷物が残ったままの家 | 片付けは僕たちがやります。仏壇や思い出の品は、先にご相談します |
| ○ | 古い家・傷んでいる家 | 直す前提で見ます。柱と屋根が残っていれば、可能性があります |
| ○ | 遠方にお住まいで、家を見に来られない方 | 写真とお電話で進められます。ご来県は必要ありません |
| ○ | 不動産会社に「売れません」と言われた家 | 貸す前提なら、値段の付け方が変わります |
| × | 柱が折れている・大きく傾いている家 | 直す費用が家賃で回収できません。壊すしかない家は、正直にそうお伝えします |
| × | 車が入れない・道に接していない家で、大きな工事が要るもの | 工事の車が入れないと直せません。小さな工事で済むかは見てから判断します |
| × | 土地が他の人のもので、建物だけが自分のもの、という家 | 地主さんとの話し合いが要るため、今はお受けしていません |
| × | 山口県外の家 | 見に行けない家は、責任を持てません |
「買い取り」という言葉を使いましたが、高く買うことはできません。
僕たちが出せるのは、解体費も片付け費も出さずに済むという形です。
それでも「持ち続けるよりいい」と思っていただけたときだけ、進めます。
ご自分の家が引き取れる家かどうか、分からなくて当たり前です。
LINEで、家の写真を1枚送っていただくだけで大丈夫です。
見に行けそうかどうか、僕が正直にお返事します。無理に決めていただくことはしません。
僕が、空き家を壊さずに直して貸している理由

僕のところにも、何件もご相談にいらっしゃいましたが、お断りした家もあります。
家の半分が植物に飲み込まれそうになっていて、かなり山の方にあり、借りて住む人が見込めない家でした。
泣く泣く、お断りしました。
柳井市の仲介会社に聞いたときも、隣り合った町で賃貸の需要がまるで違うと言われました。
ですから、引き取れるかどうかは、場所と状態を見せていただいてからの判断になります。
対応するのは山口県内で、岩国市・柳井市・周南市のあたりは、すぐに見に行けます。
不動産会社に「売れません」と言われた家でも、貸す前提なら値段の付け方が変わります。
売れない理由の分け方は、空き家が売れない理由の記事に書きました。
それでも僕がこの仕事を続けているのは、家にまだ時間が残っているうちに引き取れば、その家で誰かが暮らした時間を、次の人へ渡せるからです。
僕はこれを「思い出のバトン」と呼んでいます。
重い思いはあると思います。
でも、1日でも早く次の人にバトンを託して思い出をつないでいくことが、家にとっても、あなたにとっても、次に受け継ぐ人にとっても、いちばん幸せだと考えています。
相談するだけ、気軽にしてみてください。
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ご相談について
その空き家、壊す前に一度だけ、写真を見せてもらえませんか。
僕はもともと、山口県で中学校の体育の先生をしていました。誠実に対応することは、そのころから心がけています。
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1〜3枚と、市や町の名前を送る
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正直にお返事します
- 僕たち自身が引き取り、自分たちで直して使います。転売が目的ではありません。
- 家の中の荷物は、そのままで大丈夫です。片付けは僕たちがやります。
- 引き取れないときは、その理由も正直にお伝えします。
- 無理に決めていただくことはしません。「写真を見せるだけ」でも大丈夫です。
相談は無料です。送っていただいた写真やご相談の内容を、ご本人の許可なく公開することはありません。
山口県内であれば対応します。岩国市・柳井市・周南市のあたりは、すぐに見に行けます。
空き家をどうするか迷ったときの全体ページ(壊す・貸す・手放すの選び方) / 空き家の相談室(記事一覧)
この記事の参考資料
- 空家等対策の推進に関する特別措置法|e-Gov法令検索(第2条第2項、第13条、第22条)
- 地方税法(抄)第349条の3の2|国土交通省
- 固定資産税 住宅用地・商業地等の課税標準額と負担調整措置|総務省
- 相続登記の申請義務化について|法務省
- 相続土地国庫帰属制度において引き取ることができない土地の要件|法務省
- No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例|国税庁
- 空き家相談窓口のご案内|山口県
- 市町の空き家対策関連情報について|山口県
- 空き家ガイドブック〜相続から管理・利活用まで〜|山口県
しらかわ だいき株式会社Glenn 代表/山口県で空き家と古いアパートを買い取り、壊さずに直して貸しています2026年9月の時点で15戸を持ち、14戸に入居していただいています。古い戸建てを3軒、自分たちで直して貸してきました。
妻と息子と、山口県で暮らしています。家賃で家族を養っているので、引き取れる家と引き取れない家を、正直にお伝えします。
